leo-dental-c’s diary

いつまでも美しい白い歯で笑える、しあわせ。 レオ歯科クリニックは、新潟市西区・坂井東地区のみなさまの、 笑顔と健康をお守りしたいと願っています。

ラグビーを語る

 こんにちは。

院長の田澤です。

 9月から始まっている2023年ラグビーワールドカップフランス大会が大詰めを迎えています。いよいよ残すところあと2試合、3位決定戦のアルゼンチン対イングランドと決勝戦のニュージーランド対南アフリカです。特に決勝戦は、南アフリカの連覇かニュージーランドの8年ぶりの王座奪還かとても熱い戦いになりそうですね。

 予選リーグD組の日本は、2勝2敗で残念ながら予選敗退となり、前大会のベスト8進出を上回ることができませんでした。日本開催であった前大会で念願の8強入りを果たし、今大会は真剣に優勝を狙って更なるハードワークを行い臨みましたが、世界の壁はまだまだ厚かったです。しかし、日本に勝った優勝候補のイングランドも格上のアルゼンチンも日本をリスペクストし、ベストメンバーで戦ってきました。もうラグビー日本代表は弱小国ではなくなった証拠です。この4年間、我々の想像できない程の努力と犠牲をして体を張り続けてきた選手達に感謝と労いの言葉を送りたいです。

 

 

 今大会を通じて、タックルの反則をとられる場面が多くなったと思いませんか。近年、世界のラグビーでは頭部へのコンタクトに厳罰が下される傾向が強まっています。2003年ワールドカップで優勝したイングランドのフッカーだったスティーブ・トンプソン氏が引退後、ワールドカップでプレーした記憶も失い、同様の症状に苦しむ元選手達とともに、国際統括団体であるワールドラグビー(WR)を安全対策を怠ったとして提訴するなど、深刻な事態が生じています。TMO(ビデオ検証)の厳格化も進み、国内試合でも国際試合でもレッドカードの枚数は飛躍的に増えています。また、フランスワールドカップ直前の8月に「バンカー(レッドかイエローか不明ならひとまず後者で試合を進め、判定担当者が映像で検証、より重いと判断すれば8分以内にレッドに変更)」システムが導入され、更に厳しく取り締まるようになりました。

 ワールドカップ前のウォームアップの7月22日に行われた日本対サモア戦で、リーチマイケル選手は前半30分に危険なタックルによりレッドカードを受け、3試合の出場停止処分を科せられました。続く8月5日のフィジー戦では、前半7分でピーター・ラブスカフニ選手が頭部へのタックルでレッドカードとなり同じ処分となりました。故意に危険なタックルにいった状況ではなく、以前であれば流されていたプレーです。両試合とも残り時間を1人少ない14人で戦うことになり、数的不利は如何ともし難く日本代表は敗れました。

 勢いのあまり、あるいは角度をつけて切れ込むボール保持者のふいの動作への反応によってハイタックルは発生し易いです。2015年と2019年のワールドカップで、日本躍進の原動力にもなった体の大きな相手を倒すために日本が鍛え上げたダブルタックルは、一人が低く入れば必然的に二人目は高くなります。以前は、肩から上へのタックルが危険とされていましたが、現在は胸から上へ入ると反則をとられてしまう可能性が高いです。日本にとって厳しいルール改定となりました。そして、日本代表は対策を練りました。合言葉は、「アンダー・ザ・ボール」。標的の抱える球の下をめがけるロータックルです。かつて、日本と対戦した多くのトップ国の選手たちが顔をしかめて称賛した膝下を狙う日本の小柄なタックラーの武器「相手のすねに突き刺さるタックル」がありましたが、まさに低いところへのタックルです。

 出場停止処分を終え復帰した二人は低いタックルに徹しました。特に、ピーター・ラブスカフニ選手は復帰第一戦の日本のワールドカップ第二戦である対イングランド戦で、チーム最多のタックル回数19回で成功率100%でした。驚くべき修正能力ですよね。日本代表は今大会4試合戦って、危険なタックルは2回(イエローカード)、どちらとも偶発的に高くなってしまった状況でした。規律はしっかり守られていたと思います。しかし、現実的には体格で劣る日本は低いタックルだけでは大きく勢いのある選手を1発で倒すことは難しく、勢いは止めてもボールをコントロールされ繋がれたり、また反則を恐れタックルを躊躇してしまう場面が多々ありました。4年後勝つためには、ダブルタックルに次ぐ新しい必殺のタックルを磨かなければならないと思います。

 2016年秋から日本代表のヘッドコーチとなっているジェイミー・ジョセフ監督は、今回のワールドカップで退任します。そして、南アフリカに勝ち歴史を変えた2015年のメンバー達(リーチマイケル、堀江翔太、松島幸太郎選手ら)は世代交代の年齢になっています。これらのことがピンチとなるか更なる躍進へのチャンスとなるかはまだ分かりませんが、これから日本ラグビーはまた大きく変わっていくと思います。

 

日本ラグビーに、栄光あれ!